【2025年最新】女性活躍推進助成金完全ガイド|中小企業も必見

2025年 7月 15日

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女性活躍推進を本格的に進めたい中小企業にとって、助成金制度の活用は大きな後押しとなります。

2025年版では、東京都や厚生労働省をはじめ、自治体や業界団体が提供する多様な助成金が整備されており、女性の新規採用や職域拡大、育児・介護との両立支援、柔軟な働き方の導入など、目的に応じて選べる制度が充実しています。

本記事では、各助成金の概要や申請要件、実際の活用事例までを網羅的に解説します。自社の課題や目標に合った制度選びのポイントや、スムーズな申請のコツもわかります。

最新情報を押さえ、女性活躍推進と組織力強化を両立させるための実践的なヒントをお届けします。

2025年版|女性活躍推進に使える主な助成金一覧

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女性活躍推進を制度面から後押しする助成金制度が、国や自治体で整備されています。

ここでは中小企業でも活用しやすい主要な助成金を、目的別に紹介します。

女性の活躍推進助成金(東京しごと財団)

「女性の活躍推進助成金」は、東京都内に本社または主たる事業所を持つ中小企業等が、女性の新規採用や職域拡大を目的として利用できる助成金です。

トイレ・更衣室・シャワー・ロッカー・休憩室・仮眠室・ベビールームなどの女性専用設備の新設や改修を行う際、その費用の一部(上限500万円、助成率2/3)が助成されます。建物本体の新築や大規模増築は対象外ですが、一定の要件を満たせば性別問わず利用できるトイレも助成対象となります。

申請は事前予約制で、工事着工前に申請が必要です。また、女性の新規採用や職域拡大を目的とした設備投資が条件となっており、既存社員のみのための設備整備は対象外です。

▼参考:東京しごと財団  女性の活躍推進助成金

両立支援等助成金(育児休業等支援コース・不妊治療・女性健康課題コース)

「両立支援等助成金」は、厚生労働省が実施する助成制度で、中でも女性従業員のライフイベントと就労の両立を支援することを目的とした2つのコースを紹介します。

育児休業等支援コースは、育休制度の整備や復帰支援、業務代替体制の構築などに取り組み、実際に従業員が育休を取得し職場復帰した場合に助成されます。支給額は内容によって異なり、業務体制整備経費は最大20万円、業務代替手当は最大10万円/月(最長12か月)、新規雇用の場合は最大67.5万円など複数の項目があります。詳細は最新の公募要領でご確認ください。

不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースでは、不妊治療や月経・更年期障害など女性特有の健康課題に配慮した休暇制度や勤務時間の柔軟化などの制度を導入・運用し、実際に利用実績があった場合に、取り組み内容や要件に応じて最大57万円まで助成されます。

どちらのコースも、女性が安心して働き続けられる職場環境づくりを後押しし、健康経営やダイバーシティ推進にもつながる制度です。

▼参考:厚生労働省  両立支援等助成金

働き方改革推進支援助成金

「働き方改革推進支援助成金」は、長時間労働の是正や柔軟な勤務制度の導入を目的とした中小企業向けの助成金です。

時差出勤・テレワーク・時短制度の導入や、労働時間短縮、生産性向上、年次有給休暇の取得促進などにかかる費用が補助されます。特に育児や介護との両立が必要な社員への配慮は、女性をはじめ多様な人材の就業継続や離職防止に効果的です。

申請には計画書や実施報告書などが必要で、外部専門家の活用も推奨されています。業種や規模にかかわらず、労災保険の適用事業主であれば申請可能です。

▼参考:厚生労働省  働き方改革推進支援助成金

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」は、有期雇用や無期雇用、派遣社員などの非正規雇用労働者を正社員に転換した企業に対して支給される国の助成金制度です。

中小企業の場合、2025年度は重点支援対象者(雇入れから3年以上の有期雇用労働者や派遣労働者など)を正社員化した場合、1人あたり最大80万円、一般の有期雇用労働者の場合は40万円が支給されます。

正社員化後は賃金を3%以上引き上げることなどが要件となっており、制度導入にはキャリアアップ計画の作成や就業規則への規定などが必要です。女性の雇用安定やキャリア形成、待遇改善や人材定着にもつながるため、多くの企業で活用されています。

▼参考:厚生労働省  キャリアアップ助成金

自治体・業界団体による支援制度

国の制度に加え、都道府県や市区町村、業界団体などが独自に展開している女性活躍推進の支援制度も多く存在します。

例えば、宇都宮市では市内の中小企業を対象に、女性が働きやすい職場環境の整備や健康経営の取り組みなどに対して、対象経費の2分の1・上限50万円の補助金が支給されています。補助対象には、女性専用トイレや更衣室、テレワーク用備品の整備、フェムテック製品・サービスの導入などが含まれます。また、女性管理職育成研修や育児支援制度導入に関する助成を行っている自治体もあります。

こうした地域独自の支援は国の制度と併用できる場合も多いのが特徴です。自社の所在地や所属団体が提供している制度を必ず確認し、地域に根ざした支援の活用も検討しましょう。

▼参考:宇都宮市 女性活躍推進補助金

助成金の対象企業と申請要件

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女性活躍推進の助成金は、対象となる企業や申請に必要な条件が分かりにくいこともあります。まずは、自社が対象となるかどうかを確認してみましょう。

対象となる企業の条件

女性活躍推進関連の助成金は、主に中小企業が対象ですが、制度によっては「常時雇用する労働者が300人以下」であれば中小企業以外でも対象となる特例が設けられる場合があります。中小企業の定義は業種ごとに異なり、一般的には以下のいずれかを満たす企業が対象です。

<製造業・建設業・運輸業等>

・資本金または出資の総額が3億円以下

・常時雇用する労働者数が300人以下

<卸売業>

・資本金または出資の総額が1億円以下

・常時雇用する労働者数が100人以下

<サービス業>

・資本金または出資の総額が5,000万円以下

・常時雇用する労働者数が100人以下

<小売業>

・資本金または出資の総額が5,000万円以下

・常時雇用する労働者数が50人以下

個人事業主や資本金のない法人は、従業員数で判定します。なお、助成金ごとに「中小企業」の範囲や特例が異なるため、必ず各制度の最新公募要領をご確認ください。

▼参考:経済産業省 中小企業庁  中小企業の定義

助成金を受けるための基本要件

女性活躍推進に関連する助成金を申請するには、以下の基本的な要件を満たしている必要があります。

  • 一般事業主行動計画の策定・公表

女性活躍推進法に基づき、自社の現状分析と課題抽出を行い、数値目標や具体的な取り組みを盛り込んだ計画を策定・公表します。従業員301人以上の企業は義務、300人以下は努力義務です。

  • 女性の活躍推進企業データベースへの登録

策定した行動計画や女性従業員に関する情報を、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」に掲載します。

  • 計画に沿った取り組みの実施と評価

策定した計画に基づき、具体的な取り組みを行い、進捗状況や成果を定期的に評価・報告することが求められます。助成金によっては目標達成が必須です。

  • 法令遵守・適切な労務管理体制の構築

労働基準法や労働安全衛生法などの関連法令を遵守し、社会保険加入・労務管理記録の整備などが行われている必要があります。

▼参考:厚生労働省  女性活躍推進法について

助成金を活用しやすい企業の特徴とは

女性活躍推進助成金を効果的に活用できる企業には、いくつかの共通した特徴があります。

  • 女性従業員が一定数在籍している企業

女性の管理職登用や昇進支援などの目標設定には、ある程度の女性従業員数が必要です。

  • 経営陣の理解と支援がある企業

経営層が女性活躍の重要性を理解し、積極的に推進する姿勢がある企業ほど、助成金を活用した取り組みが成功しやすくなります。

  • 人事労務体制が整っている企業

労務管理や申請書類の準備が適切に行える体制(人事担当者や社会保険労務士との連携)があると、助成金の活用がスムーズです。

  • 継続的な取り組みを実施できる企業

一時的な施策ではなく、長期的な視点で女性活躍推進に取り組む意欲がある企業が、助成金を最大限活用できます。

  • 業界特性を理解している企業

自社の業界特性や女性活躍の課題を把握し、適切な目標設定や施策を講じられる企業は、助成金の効果も高まりやすいです。

これらの特徴を持つ企業は、助成金を活用して女性活躍推進に取り組み、組織の活性化と生産性向上を同時に実現できる可能性が高いといえます。まずは自社の現状を分析し、どのような取り組みが最も効果的かを検討することから始めましょう。

▼参考:東京しごと財団  女性の活躍推進助成金

申請の流れと必要な準備|初めてでも安心のステップガイド

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ここでは、申請から支給までの具体的なステップと、成功のポイントをわかりやすく解説します。

2025年版|助成金申請の基本ステップ

女性活躍推進助成金の申請から支給までは、まず行動計画の策定と公表に1〜2か月を要し、その後の取り組み期間は最長で3年間となります。数値目標を達成した場合は、達成日の翌日から2か月以内に支給申請を行う必要があります。

多くの企業では4月に行動計画を策定し、翌年度以降の目標達成を目指す流れが一般的です。申請には事前予約が必要で、原則として窓口での書類提出が求められます。

申請期限は厳しく設定されているため、目標達成の見込みが立った段階で、申請書類の準備を早めに始めておくことが重要です。

事前準備チェックリスト

助成金申請を成功させるには、必要書類を事前に把握し、漏れなく準備することが重要です。

支給申請には、行動計画の写し、男女の労働者数や課題を示す書類、周知を証明する資料、雇用契約書や就業規則などが必要です。制度や自治体によって書類の内容や枚数が異なるため、最新の要項で確認してください。

社内で整備すべき制度としては、女性活躍に関する行動計画や育児・介護支援制度の導入、就業規則や評価制度の見直しが挙げられます。従業員への周知には、社内掲示やイントラネット、会議での説明、管理職研修の実施などが効果的です。中でも、管理職の理解と協力は取り組み全体の成否を左右する重要なポイントです。

申請成功のポイント

助成金申請には、平均して2〜3か月の準備期間が必要です(既存制度の活用なら約1か月)。この期間で、行動計画の策定や社内制度の整備、必要書類の準備、従業員への周知を行います。あらかじめ計画を立てて進めることで、無理のない対応が可能になります。

申請の成功率を高めるには、社会保険労務士などの専門家に相談するのが効果的です。また、厚生労働省や自治体が提供する相談窓口、オンライン説明会、記入例などの支援を活用すれば、初めての申請でも安心して進められます。地域ごとのサポートも充実しているため、自社の状況に応じて必要なサポートを受けながら申請を進めることができます。

▼参考:厚生労働省  女性活躍推進法特集ページ

よくある質問と注意点

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ここでは、企業の担当者が抱きやすい疑問を整理し、失敗を避けるための具体的な対策を解説します。

複数助成金は併用できる?

女性活躍推進に関する助成金は、国の制度に加えて、都道府県や自治体が独自に設けているものもあります。複数の制度をうまく組み合わせることで、より手厚い支援を受けられるのが特徴です。

例えば、厚生労働省が実施する「両立支援等助成金」と、東京都や市区町村が行う女性活躍推進関連の助成金を併用するケースが多く見られます。

ただし、同じ内容や経費について複数の助成金を同時に受けることはできません。目的や支出内容が異なれば、併用も可能です。例えば、女性管理職の登用促進と、育児支援制度の拡充を別々の助成金で支援を受けるといった使い分けが考えられます。

まず国の制度で行動計画の策定や制度設計を行い、その後、自治体の助成金で具体的な研修や設備整備を進めるといった段階的な活用が効果的です。

不支給になりやすいケースはある?

女性活躍推進助成金の申請において、不支給となる主な原因は申請書類の不備です。特に「女性の活躍推進企業データベース」への行動計画の公表が抜けているケースが多く、その他にも提出書類の漏れや記載ミスなどが理由として挙げられます。

また、助成対象とならない取り組みを実施したり、設定した数値目標を達成できなかった場合も不支給となります。事後報告を忘れると、支給が停止される可能性もあります。

これを防ぐには、事前に申請要件を確認し、担当窓口への相談を活用することが重要です。書類は複数人でチェックし、取り組み内容や目標は過去の事例を参考に現実的に設定しましょう。

▼参考:厚生労働省 女性の活躍推進企業データベース

専門家活用のメリットはあるの?

女性活躍推進助成金の申請では、社労士やコンサルティング会社など専門家の活用で成功率が大きく高まります。社労士は労働法や助成金制度に詳しく、適切な申請書類の作成や要件確認をサポートします。一方、コンサル会社は助成金申請に加え、女性活躍推進の戦略立案や実行支援も提供可能です。

費用対効果としては、社労士報酬は助成金額の10〜20%程度が一般的で、47.5万円や60万円の助成金でも報酬を引いて十分メリットがあります。自社対応か専門家依頼かは、労務知識の有無や申請経験、時間的余裕を考慮して判断しましょう。特に初めての申請や経験の浅い担当者の場合は、専門家の活用が安心です。

女性活躍助成金活用の成功事例

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女性活躍推進の助成金は、実際に多くの中小企業で活用され、職場環境の改善や女性社員の定着率向上などに効果を発揮しています。

ここでは、実際に助成金を活用して成果を上げた企業の事例を紹介します。

女性の育休復帰率が向上した中小企業

製造業A社(従業員150名)は、女性社員の育休後の復帰率が50%程度と低く、人材流出が課題となっていました。そこで「両立支援等助成金(育児休業等支援コース)」を活用し、復帰支援制度を整備しました。

育休前の上司との面談を必須とし、復帰後の働き方を事前に相談できる体制を構築しました。さらに、育休中は月1回の情報提供で職場とのつながりを維持し、復帰後は時短勤務や在宅勤務の柔軟な働き方に対応しました。

その結果、復帰率は85%まで向上し、助成金として47.5万円を受給しました。人材の定着率が改善され、採用コストの削減や職場全体のモチベーション向上にもつながりました。

管理職登用と両立支援に成功した中小企業

サービス業D社(従業員80名)は、女性従業員の定着率向上と管理職登用の促進を目指し、「働き方改革推進支援助成金」を活用しました。

この助成金は、時差出勤やテレワーク、短時間勤務制度など、柔軟な働き方の導入にかかる費用の一部を補助する制度です。

D社では、育児や介護と仕事の両立がしやすい環境を整えるため、時差出勤制度とテレワーク制度を導入し、制度設計やシステム導入、社員向けの研修費用に助成金を活用しました。

また、柔軟な働き方を利用する社員にもマネジメント職への登用機会を積極的に提供し、評価制度も見直して成果や貢献を重視する基準へ移行したことで、時短勤務や在宅勤務でも公正な評価を受けられるようにしました。

これらの取り組みにより、女性の離職率が大幅に減少し定着率が向上、さらに女性社員の管理職登用も進みました。助成金の活用によって初期投資を抑えつつ、職場改革と女性活躍推進を実現した好事例です。

▼参考:公益財団法人 東京しごと財団公式サイト

まとめ

女性の活躍を支援する助成金制度が各地で拡充されており、中小企業でも取り組みやすい内容となっています。職場環境の整備や柔軟な働き方の導入に対し、費用の一部を支援してくれるこれらの制度は、人材の定着や組織づくりにも大きな効果を発揮しています。

助成金の詳細な要件や必要書類、申請受付期間は制度や自治体によって異なるため、活用を検討する際は必ず最新情報を確認することが重要です。申請の準備には時間がかかる場合もありますが、公的な相談窓口や専門家のサポートも充実しているため、無理なく進めていきましょう。

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