くるみん助成金とは?くるみん認定の概要から申請プロセスまで解説

2026年 1月 7日

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くるみん助成金は、くるみん認定を取得した中小企業を対象に、従業員の仕事と育児の両立支援に必要な費用を助成する制度です。研修実施や制度整備、設備導入など、具体的な取り組みに最大50万円の支援が受けられます。

本記事では、認定取得の要件から助成金申請の5つのステップ、そして助成金を戦略的に活用した企業文化の構築方法まで、人事担当者や経営者が実務で活用できる情報を詳しく解説します。

くるみん助成金の基本

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ここではくるみん認定の基礎知識から、くるみん助成金の全体像、そして申請に必要な条件まで実務担当者が押さえておくべきポイントを詳しく解説します。

くるみん認定とは

くるみん認定は、厚生労働省が実施する子育てサポート企業の認定制度です。次世代育成支援対策推進法に基づき、従業員の仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組む企業が認定を受けられます。

企業は一般事業主行動計画を策定・実行し、一定の基準を満たすことで認定を取得できます。さらに、取り組み状況に応じて、プラチナくるみんくるみんプラスといった制度も用意されています。

くるみん助成金の概要

くるみん助成金は、中小企業が仕事と育児の両立を支援する環境整備を行う際、その取り組みに必要な費用の一部を支援する制度です。育児休業の取得を促す施策、子育て中の従業員を支援する制度、長時間労働の抑制など働き方改革につながる取り組みなどが助成の対象となります。

くるみん助成金の申請条件

くるみん助成金の申請にはいくつかの条件があります。

  • 対象事業者

くるみん助成金の対象事業者には大きく2つあります。そのうち両者に共通する条件とくるみん認定のうちどれを取得しているかで分かれる条件があります。

共通する条件

  • 子ども・子育て支援法に規定する一般事業主(事業主拠出金を納付している)であること
  • 次世代育成支援対策推進法に規定する中小事業主(常時雇用する労働者数300人以下)であること

①くるみん認定・くるみんプラス認定企業に求められる条件

  • 令和6年度または令和7年度(令和8年2月13日まで)にくるみん認定・くるみんプラス認定を受けていること
  • くるみん認定・くるみんプラス認定のための行動計画終了日が含まれる事業年度の末日が、以下であること
    • 令和6年度認定取得⇒令和5年4月1日以降
    • 令和7年度認定取得⇒令和6年4月1日以降

注意点としては、くるみん認定取得により既に本助成金を受けた後、そのくるみん認定と同一の行動計画によりくるみんプラス認定を取得した場合は、くるみんプラス認定取得により再度本助成金を受けることはできません。

②プラチナくるみん認定・プラチナくるみんプラス認定企業

  • 令和7年3月31日時点でプラチナくるみん認定・プラチナくるみんプラス認定を受けていること
  • 「両立支援のひろば」に直近の次世代育成支援対策実施状況を公表していること
    • 1回目:プラチナくるみん認定決定後、おおむね3か月以内に公表
    • 2回目以降:公表事業年度終了後おおむね3か月以内に公表

トライくるみん認定は助成の対象外となります。

  • 対象事業

くるみん助成金の対象になる事業には以下の4つがあります。

  1. ​​労働者が育児休業などを取得することを促進するための取り組み
  2. 労働者の子育てを支援するための取り組み
  3. 労働者の業務負担の軽減や所定外労働の削減などを行うための取り組み
  4. そのほかの、労働者の仕事と家庭の両立を図るために必要な取り組み
  • 対象経費

従業員の家庭生活と仕事を両立させるために必要な経費が助成の対象となります。消費税相当額を除き、具体的には以下の通りです。

  • 職員給与
  • 各種手当
  • 社会保険料事業主負担金
  • 厚生費等(役員報酬を除く)
  • 謝金
  • 備品費(単価50万円以上の備品を除く)
  • 消耗品費
  • 印刷製本費
  • 通信運搬費
  • 光熱水料
  • 借料及び損料
  • 会議費
  • 賃金
  • 雑役務費及び委託料

また、くるみん助成金の対象になる経費には以下の条件があります。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できるもの
  2. 令和7年4月1日以降に実施し令和8年2月28日までに納品と支払いが完了する事業の経費
    1. 年度をまたいでの実施・納品・支払いは対象外です。
    2. 令和7年度にくるみん認定・くるみんプラス認定を取得した企業は認定取得日以降に実施した事業の経費が対象です。
  3. 根拠資料によって金額・支払等が確認できるもの
  4. 本助成事業以外の補助金等の支給を受けていない経費であること
    1. 雇用保険法の規定に基づく雇用関係助成金を除く
  • 助成金額

くるみん助成金が助成する金額は、事業主ごとに上限50万円となっています。対象となる事業の実施にかかる経費を実費で助成します。

▼参考:厚生労働省 子ども・子育てくるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて

▼参考:一般財団法人女性労働協会 くるみん助成金事務局 くるみん助成金ポータルサイト

▼参考:一般財団法人女性労働協会 くるみん助成金事務局 助成金について

くるみん認定の助成金申請プロセス

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くるみん助成金の申請は複数の段階を踏んで進める必要があります。ここでは、くるみん認定取得のための具体的なプロセスを、5つのステップに分けて解説します。

1. くるみん認定取得

くるみん助成金を申請するには、まずくるみん認定またはプラチナくるみん認定を取得することが必須条件です。認定取得は助成金申請の大前提となるため、計画的に進めましょう。

一般事業主行動計画の策定・届出から始めます。計画には、自社の現状分析、数値目標、具体的な取り組み内容、実施期間を明記します。策定した行動計画は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に届け出ます。計画期間は2年以上5年以内で設定するのが一般的です。

社内制度の整備と実施を並行して進めます。育児休業規程の見直し、短時間勤務制度の導入など、従業員が実際に利用できる制度を構築し、従業員への周知活動や管理職への研修を行うことが重要です。

行動計画に基づいた取り組みを実施し、これらの基準を満たした段階で、くるみん認定の申請を行います。認定申請には、行動計画の実施状況を示す書類や、育児休業取得率などの実績データの提出が必要となるでしょう。

2. 申請書類を提出

くるみん認定を取得したら、中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業の申請に進みます。令和7年度の場合、申請受付期間は令和7年5月28日(水)から令和8年2月13日(金)必着となっています。

実施する事業計画の策定を行います。助成金の対象となる事業は、以下の4つの分野に該当するものです。

  1. 労働者の育児休業等の取得を促進するための取り組み
  2. 労働者の子育てを支援するための取り組み
  3. 労働者の業務負担の軽減や所定外労働の削減などを図るための取り組み
  4. その他労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な取り組み

具体的には、育児休業取得促進のための研修実施、在宅勤務用機器の購入、業務効率化ツールの導入、相談窓口の設置などが該当します。実施時期は令和7年4月1日以降、令和8年2月28日までに納品と支払いが完了する事業が対象となるでしょう。

提出書類には以下のようなものがあります。

  • 申請書
  • 予算書
  • 事業計画書
  • 根拠資料
  • 助成申請にあたっての留意事項誓約書
  • くるみん認定通知書
  • くるみん認定申請書
  • 公表資料
  • 定款・寄付行為
  • 登記事項証明書・開業届
  • 社会保険料納付書控え

書類は事務局の指定する様式に従って作成します。記入漏れや添付書類の不足があると審査が遅れる原因となるため、提出前に十分確認しましょう。

提出方法は、くるみん助成金ポータルサイトの「助成申請フォーム」から書類一式を提出することで行います。

3. 事業の実施

助成決定通知書が送付されたら、計画に基づいて実際の取り組みを実施します。この段階では、計画通りに進めることはもちろん、実施状況を記録に残すことが重要です。助成金の審査では、事業が適切に実施されたかを証明する必要があるでしょう。

取り組みの実施例を分野別に見てみましょう。

育児休業取得促進の分野では、管理職向け研修の実施、育児休業取得事例の社内共有、個別相談窓口の開設などが考えられます。研修を実施する場合は、日時、参加者名簿、配布資料、アンケート結果などを保管しておきます。

子育て支援の分野では、社内託児スペースの設置、ベビーシッター利用補助制度の導入、育児中の従業員向け交流会の開催などが該当します。制度を新設した場合は、就業規則への記載と従業員への周知記録を残しましょう。

記録の保管方法が審査の重要なポイントです。以下のような記録を確実に残しておきましょう。

  • 契約書、発注書、納品書、請求書、領収書(すべて原本を保管)
  • 研修や説明会の実施記録(開催日時、参加者名簿、配布資料、写真)
  • 購入した備品や機器の写真(設置状況がわかるもの)
  • 制度利用者の申請書や利用実績
  • 社内周知の記録(掲示物、メール、イントラ画面のスクリーンショット)
  • 従業員アンケートや満足度調査の結果

特に経費に関する書類は、消費税相当額を除いた金額が助成対象となるため、内訳が明確にわかる形で保管する必要があります。

くるみん助成金は他の補助金との重複利用は原則認められません。ただし、雇用保険法に基づく雇用関係助成金(両立支援等助成金など)との併用は可能です。同じ経費を複数の助成金に申請しないよう、事前に確認しましょう。

また、計画変更が必要になった場合は速やかに事務局に相談しましょう。やむを得ない事情で計画通りに進められない場合でも、事前に相談することで対応策を検討できる可能性があります。

4. 完了報告書を提出

計画に基づいた取り組みが完了し、すべての経費の支払いが終了したら、完了報告書一式を提出します。この報告書により、事業が適切に実施されたことを証明します。

事業完了日から原則1か月以内、かつ令和8年3月4日必着で提出する必要があります。期限を過ぎると助成金が支給されない可能性があるため、余裕を持って準備を進めましょう。

完了報告書に含める書類は以下のとおりです。

  • 完了報告書(事務局指定の様式)
  • 清算報告書
  • 事業実施報告書
  • 根拠資料

経費の計上方法には注意が必要です。助成対象となる経費は、職員給与、諸謝金、備品費、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費、光熱水料、借料及び損料、会議費、賃金、雑役務費及び委託料などです。ただし、単価50万円以上の備品や役員報酬は対象外となります。

すべての経費は消費税相当額を除いた金額で計上します。また、令和7年4月1日より前に実施・納品・支払いされた経費は対象外です(令和7年度にくるみん認定を取得した企業は、認定取得日以降の経費が対象)。

審査のポイントには以下の5点があります。

  • 申請時の計画通りに事業が実施されたか
  • 経費の支出が適切で、証拠書類が整っているか
  • 事業の効果が従業員に及んでいるか
  • 他の補助金との重複がないか
  • 法令違反がないか

5. くるみん助成金を請求

完了報告書の審査が完了し、支給が決定されると、事務局から支給額決定通知書が届きます。この通知を受け取った後、指定された口座に助成金を振り込んでもらうため、請求書兼口座振替依頼書をおおよそ10日以内に「請求フォーム」から提出を行います。

また、助成を受けた事業は関係書類を5年間保管する義務があります。領収書、契約書、事業実施の記録などは確実に保管しておきましょう。事務局から実地調査や追加資料の提出を求められる場合があります。

不正受給の防止は厳格に管理されています。虚偽の申請や目的外使用が発覚した場合、助成金の返還を求められるだけでなく、今後の申請が認められなくなる可能性があります。申請内容は正確に、事業実施は計画通りに行うことが大切です。

▼参考:一般財団法人女性労働協会 くるみん助成金事務局 中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業 - くるみん助成金 利用ガイド

▼参考:厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて

助成金を活用した企業文化の構築

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くるみん助成金を活用して両立支援の取り組みを進めることで、企業文化そのものを変革する大きなきっかけとなります。

ここでは、助成金を戦略的に活用しながら、女性活躍推進、健康経営、ワークライフバランスの向上という3つの視点から、持続可能な企業文化を構築する方法を解説します。

女性活躍推進

育児休業からの復職支援制度の整備や、管理職向けのマネジメント研修の実施、キャリア形成を後押しする制度づくりなどに助成金を活用してみましょう。女性従業員の継続就業率が向上し、人材流出を防ぐ効果が期待できます。育児中の社員が能力を発揮し続けられる環境を整えることは、組織力の強化にもつながります。

健康経営の実現

くるみん認定と健康経営は、従業員の心身の健康を支える取り組みとして共通点が多くあります。両立支援の充実は、従業員のストレス軽減や心の健康維持に直結し、健康経営の推進につながるでしょう。

長時間労働の削減やテレワーク環境の整備、メンタルヘルスの相談体制構築などを助成金活用で推進することにより、働きやすい環境を実現できます。健康経営優良法人認定とのダブル取得を視野に入れることで、社会的評価の向上にも寄与します。

ワークライフバランス向上

フレックスタイム制度の導入や休暇取得促進、社内コミュニケーション活性化施策など、従業員一人ひとりの働き方に寄り添う環境づくりにも役立ちます。 仕事と生活の調和が取れた環境は、従業員満足度と生産性の両立を可能にし、企業が長期的に成長していくための基盤となるでしょう。

まとめ

くるみん助成金は、女性の活躍支援や働き方改革を推進する企業にとって非常に有効な制度です。まずは自社の現状を正確に把握し、課題を明確にしたうえで、行動計画を策定し、くるみん認定取得を目指すことが重要です。

Wellflowは貴社の課題を可視化して、くるみん認定のための適切な施策やサポートを提供いたします。

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