ストレスチェックのサービスおすすめ15選!初めての選び方や比較ポイント
2025年 9月 2日

2025年5月の労働安全衛生法改正により、従来は50人以上の事業場で義務化されていたストレスチェックが、2028年頃をめどに50人未満の事業場でも実施が義務化される見通しです。従業員数に関わらず、コスト削減を図りながら効果的な実施を行うには適切なサービス選択が重要になっています。
本記事では、ストレスチェックサービスを選ぶ前に確認すべきことから選定における5つのポイント、15個のサービス紹介まで解説しています。健康経営推進と業務負担軽減を両立させるための実践的な知識を身につけるうえで、参考にしてみてください。
ストレスチェックサービスを選ぶ前に確認すべきこと
法的義務の有無、実施体制の現状、予算感を明確にすることで、最適なストレスチェックサービスを選択できるでしょう。ここでは、サービス選定前に必ず確認しておくべき4つのポイントを解説します。
自社の義務と目的
最初に確認すべきは、自社がストレスチェックの実施義務対象かどうかです。
従業員数が50人以上の事業場では年1回のストレスチェック実施が義務付けられており、実施後は労働基準監督署への報告も必要となります。
一方、50人未満の事業場では現在努力義務ですが、法改正により今後義務化されます。
ストレスチェックを実施する目的によって、必要なサービス範囲や予算感が大きく変わります。主な目的は以下の3つに分類できます。また、この「目的の深さ」によって、必要なサービス範囲や予算感が大きく変わります。
- 最低限の法令遵守:とにかくミスなく実施したい
- 人事施策に活かす:集団分析を活用して部署ごとの課題を見える化したい
- 健康経営の推進:従業員のエンゲージメントや健康経営優良法人認定につなげたい
ストレスチェック実施者の有無
ストレスチェックの実施には、法律で定められた有資格者が必要です。社内に産業医、保健師、公認心理師、看護師(条件あり)がいるかどうかを確認しましょう。
<社内に実施者がいない場合>
必然的に外部委託が必要となります。実施者の確保から結果の取りまとめまで一貫してサポートしてくれるサービスを選ぶとよいでしょう。
<社内に実施者がいるが多忙な場合>
外部委託と一部社内対応を組み合わせたハイブリッド型も検討できます。実施者の負担を軽減しつつ、コストを抑えられる選択肢です。
▼関連記事:ストレスチェック実施者とは?選び方や外部委託の判断基準を解説
ストレスチェック実施事務事業者の有無
実施者とは別に、配布・回収・結果通知などの事務作業を担当する実施事務従事者の確保も重要です。人事労務部、総務部、健康推進室など、どの部署が事務担当になるかを明確にしましょう。
また、従業員の健康情報という機密性の高いデータを社内で適切に管理できるかも判断基準となります。管理体制に不安がある場合は、セキュリティ面で信頼できる外部クラウドサービスを活用する方が安心でしょう。
ストレスチェック予算と補助制度
ストレスチェックサービスの費用は、サービス内容によって大きく異なります。1人あたりの費用相場は、Web型の簡易なサービスで数百円、フルサポート型で数千円程度です。
また、従来のストレスチェック助成金は令和5年度末で廃止されましたが、現在は「団体経由産業保健活動推進助成金」という新しい制度が利用できる場合があります。
▼関連記事:【最新】ストレスチェックの助成金は廃止!新たに利用できる助成金を紹介
▼参考:厚生労働省 ストレスチェック制度導入ガイド
▼参考:独立行政法人労働者健康安全機構 助成金
ストレスチェックサービスを選ぶポイント
ストレスチェックサービスを選定する際は、自社の目的や体制に合った包括的なサービスを選ぶことで効果的に活用できるでしょう。
法令遵守対応
ストレスチェックサービス選定の際にまず確認すべきは法令遵守体制の整備状況です。
医師・保健師・公認心理師等の有資格者が確実に配置されているサービスを選ぶことが必要です。また、労働者の同意なく実施者から事業者へ結果提供することは禁じられています。本人の同意なしで事業者に結果を渡さない個人情報保護体制になっているかを確認するのがポイントです。
▼関連記事:ストレスチェックの法律や規則を解説!罰則も理解し健康経営を行おう
サポート範囲
ストレスチェックだけで終わらず、高ストレス者への面接指導を適切に実施できる体制があるか確認しましょう。面接指導の費用相場は1人1回あたり1〜3万円程度となっています。
職場改善支援の対応も必要不可欠です。集団分析結果に基づく改善提案や職場環境改善のコンサルティングサービスを提供しているかが重要な選定基準でしょう。
実務負担の軽減
ストレスチェックの調査票の配布から結果通知まで、どこまで代行してくれるかを明確にしましょう。特に未受検者への催促は工数がかかる作業です。
また、Web受検システムの管理画面が使いやすく、進捗管理や結果確認が効率的に行えるサービスを選ぶことでストレスチェックを受けやすくなります。
費用
ストレスチェックの外部委託の費用相場は、一人あたり300〜1,000円前後です。Web型は安価、フルサポート型は高めの傾向があります。
また、面接指導、集団分析、職場改善支援の費用も含めて総コストを算出しましょう。集団分析の費用相場は1組織あたり2万5,000円程度です。
実績・信頼性
同規模・同業種での導入実績が豊富なストレスチェック事業者は、業界特有の課題を理解しており、適切なサポートを期待できるでしょう。実績に加え、プライバシーマークやISMS認証を取得している事業者を選ぶことで、個人情報保護の観点からも安心して委託できます。
ストレスチェックサービスおすすめ15選
ここからは、15個のストレスチェックサービスを紹介していきます。それぞれの特徴を掴んで、自社にあったサービスを選びましょう。
Wellflow(ウェルフロー)
運営会社:Flora株式会社
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 従業員向けのアプリでストレスチェックが実施できる
- 健康経営や女性活躍などまでトータルでサポート
- 健康経営度調査に対応する143項目を網羅
- 健康課題による労働損失額や改善効果を可視化、他社比較も可能
<どんな企業に向いているか>
- 女性特有の健康課題やライフステージ支援を強化したい企業
- ストレスチェックだけでなく、相談・診療・啓発まで一括対応したい企業
- 健康経営優良法人の認定取得や人的資本開示を目指す企業
ストレスチェッカー
運営会社:株式会社HRデータラボ
<料金(1人あたり)>
- 無料プラン 57問 0円 ※年500人以上実施は1人 税込132円
- WEB代行 57問 税込275円 ※200人以下一律5.5万円
- WEB代行 80問 税込275円 ※別途基本料金5.5万円
- 紙プラン 税込495円 ※別途基本料金2.2万円
<おすすめポイント・機能>
- 日本最大級の利用実績
- 幅広いプラン設計(無料/WEB/紙/Web+紙/代行など)で企業規模に応じた導入が可能
- 自動集計・リマインド機能付きで、未受検者への対応もラク
<どんな企業に向いているか>
- コストを抑えつつ必要な機能が揃った導入をしたい中小企業
- ITに詳しくない担当者でも、簡単かつしっかり実施したい企業
- 法定義務(ストレスチェック制度)に正しく対応し、集団分析・フォローまで行いたい企業
ジョブカン労務HR
運営会社:株式会社DONUTS
料金(1人あたり):400円〜/月
<おすすめポイント・機能>
- 人事労務業務と一体化されたストレスチェック
- 産業医とのスムーズな連携
- 健康診断との情報統合
<どんな企業に向いているか>
- 労務業務をまとめて効率化したい企業
- シンプルな料金体系で運用したい企業
- 産業医との連携を重視する企業
ソシキスイッチ ストレスチェック
運営会社:株式会社情報基盤開発
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 紙とWebの両対応かつ高速自動集計
- 高セキュリティ&信頼性の運用体制
- 多言語対応で多国籍な職場にも対応可
<どんな企業に向いているか>
- 事務負担を最小限にしたい企業
- 多様な人材構成(外国人含む)で均質な受検を実現したい企業
- 信頼性とスピード、両方を重視する企業
ドクタートラスト
運営会社:株式会社ドクタートラスト
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 専門家による相談窓口が一定期間無料
- Webと紙の併用対応で柔軟な運用が可能
- 50人未満にも対応する低コスト新プランあり
<どんな企業に向いているか>
- 運用負荷を最小限にしたい企業
- 定性・定量の両面で職場課題を“見える化”したい企業
- 中小規模(特に50人未満)の企業でコストを抑えて導入したい企業
ORIZIN(オリジン)
運営会社:株式会社ドリームホップ
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- PC・スマホ・Webで簡単受検、紙にも対応
- 実施者付きで運用・工数を軽減
- 多言語・柔軟オプション対応
<どんな企業に向いているか>
- 職場のストレス原因を可視化し、改善に活かしたい企業
- 社内リソースが限られており、運用負担を軽減したい企業
- 多言語対応や柔軟な運用が必要な多様な職場環境を持つ企業
HoPEサーベイ
運営会社:株式会社保健同人フロンティア
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- Well-beingスコアで健康状態を見える化
- 80問で構成された詳細な設問構成
- EAPコンサルタントによる対策提案支援
<どんな企業に向いているか>
- 健康経営の効果を可視化したい企業
- 組織改善のため具体的な指標にもとづいた支援を希望する企業
- ストレスチェックを通じて定量的データを蓄積し、長期的に活用したい企業
CO‑Labo(コラボ)
運営会社:株式会社エムステージ
<料金>
- 初期費用 〜42万円(税別)
- ストレスチェックHoPEサーベイ費用 〜1,160円(税別)
<おすすめポイント・機能>
- コーピングやプレゼンティーズム、ウェルビーイングなど独自指標による高度な分析
- 豊富な集団分析レポート(44指標)と視覚的に分かりやすいフィードバックツール
- 金融機関並みのセキュリティ体制
<どんな企業に向いているか>
- ストレスだけでなく、ストレスへの対処力(コーピング)や本来のパフォーマンス(プレゼンティーズム)も測りたい企業
- しっかりとしたサポート体制がほしい企業
- 長期的な組織改善に基づいた健康経営を目指す企業
mediment(メディメント)
運営会社:メディフォン株式会社
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 健康診断業務とストレスチェックの一元管理
- 多言語対応と医療通訳サービスで多様な従業員にも対応
- ストレス状況を即座に見える化・高度クロス分析も可能
<どんな企業に向いているか>
- 健康診断からストレスチェック・産業医連携までをワンストップで効率的に管理したい企業
- 外国籍社員や多様な従業員を抱える企業
- 人事・タレント管理システムとの連携で健康データを戦略的に活用したい企業
Carely(ケアリィ)
運営会社:株式会社iCARE
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 健康診断・ストレスチェック・診断書などの健康データを一元管理
- わかりやすい画面設計と操作性が高く、導入しやすいUX
- SmartHRなど他システムとの連携による情報同期・効率化
<どんな企業に向いているか>
- 健康管理業務をシステムで一元化し、運用負担を軽減したい企業
- 人事担当者にとって操作が簡単で、使いこなしやすいシステムを求める企業
- 他システムとの連携を活用して、健康データを戦略的に活用したい企業
ラフールサーベイ
運営会社:株式会社ラフール
料金:16,000円(税抜)〜/月
<おすすめポイント・機能>
- 従業員が迷わず回答できる設問設計&スマホ対応で高回答率
- セルフマネジメントを促進する機能が豊富
- 豊富な実績&安心のサポート体制
<どんな企業に向いているか>
- 組織と個人の状態を「見える化」し、課題の要因まで明らかにしたい企業
- セルフケアの習慣化や組織改善を“楽しみながら”促進したい企業
- サーベイ導入が初めての担当者でも安心して運用したい企業
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ
運営会社:株式会社リーディングマーク
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 月1回のパルスサーベイで早期察知
- 性格×心理状態からアプローチ方法を自動提案
- Slack連携で運用しやすさUP
<どんな企業に向いているか>
- 個別フォローしたい中堅〜大規模企業
- 離職・休職予防を重視する企業
- 人事担当者や上司のマネジメント支援を強化したい企業
アドバンテッジタフネス
運営会社:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- 英語版対応で多国籍環境でも実施可能
- ストレスチェック+改善PDCAをワンストップで提供
- ストレス × エンゲージメントの二軸分析で課題の本質を把握
<どんな企業に向いているか>
- 多様な従業員構成(特に外国籍社員)を抱えるグローバル企業
- 持続的な組織改善をPDCAで推進したい企業
- ストレスだけでなくエンゲージメント向上も重視したい企業
COCOMUストレスチェックサービス
運営会社:ここむ株式会社
<料金>
- 基本利用料 税別20,000円
- ストレスチェック(1人あたり)
- 用紙版 税別450円~
- Web版 税別250円~
- 実施者選任料(結果確認業務) 税別25,000円~
- 集団分析費用 税別10,000円~
- 追加サーベイ費用 税別10,000円~
- 補足的面談(1人あたり) 税込10,000円~
- その他別途提案あり
<おすすめポイント・機能>
- セミオーダー型の柔軟な設計
- 専任のコンサルタント・カウンセラーによるサポート
- 高度なセキュリティ体制
<どんな企業に向いているか>
- 自社に合った形でストレスチェック制度を導入したい企業
- 初めてストレスチェック制度を導入する企業や運用負担を軽減したい企業
- セキュリティとコストのバランスを重視する企業
ウィーメックス ストレスチェック
運営会社:ウィーメックス株式会社
料金:要問い合わせ
<おすすめポイント・機能>
- メールアドレス不要&英語・多言語対応
- 管理画面での一括運用が可能
- 高ストレス者へのフォローやeラーニングなど支援機能
<どんな企業に向いているか>
- 多様な働き方・環境に対応が必要な企業
- 運用担当者の手間を省きたい企業
- 高ストレス者への迅速な対応を望む企業
ストレスチェックサービスのメリット
ストレスチェックを外部サービスに委託することで、企業は多面的なメリットを享受できます。法令遵守はもちろん、従業員の健康管理から組織の生産性向上まで、包括的な効果が期待できるでしょう。
業務負担を軽減し、効率的にストレスチェックを実施できる
人事労務担当者にとって、ストレスチェックサービスを利用する最も大きなメリットは業務負担の大幅な軽減です。
配布・回収・通知といった一連の事務作業を専門事業者が代行することで、担当者は本来の業務に集中できます。特に未受検者への催促や個別結果の通知作業は、社内で実施すると相当な工数が必要となるため、外部委託による効率化効果は大きいでしょう。
専門性とセキュリティで、信頼性とプライバシーを確保できる
外部サービスの専門性により、質の高いストレスチェック実施体制を構築できます。
医師・保健師・公認心理師等の専門資格を持つ実施者が担当するため、信頼性・法令遵守の高い結果が得られます。社内に適切な実施者がいない企業にとっては、特に重要なメリットです。
プライバシーマークやISMS認証を取得した事業者なら、従業員の健康情報を適切に管理できるでしょう。個人情報の取り扱いに関する不安を軽減し、従業員の安心感向上にもつながります。
個人のストレス状況を可視化し、早期対応につなげられる
専門的な設問と分析により、従業員自身も気づかなかったストレス状況を客観的に把握できます。これにより、メンタルヘルス不調の早期発見・対応が可能となるでしょう。
その上、高ストレス者に対する面接指導も、専門的な知見を持つカウンセラーや産業医が対応することで、より効果的な支援を提供できます。
集団分析で職場環境の改善ポイントを把握できる
ストレスチェックの結果は、部署・グループごとに集計し、組織のストレス状態および傾向を分析することで、従来見えなかった職場の課題を定量的に把握できます。これにより、根拠に基づいた職場環境改善が可能となるでしょう。
専門事業者のサービスを利用すれば、分析結果に基づく具体的な職場改善提案も期待できます。職場環境改善は生産性向上や離職率低下にもつながる重要な取り組みです。
健康経営や法令遵守の取り組みを強化できる
ストレスチェックは健康経営優良法人になるための認定基準の一つで、適切な実施により認定取得に近づけます。施策の効果検証を行うことが認定要件となっており、その手段でストレスチェックの結果を用いるケースもあります。
健康経営への取り組みは、社会的な評価も高まる効果があり、採用力強化や取引先からの信頼向上にもつながるでしょう。
まとめ
ストレスチェックサービスの選定は企業の健康経営推進と従業員の働きやすさ向上を実現する重要な投資です。
適切なサービス選択により、人事労務担当者の業務負荷を軽減しながら、従業員のメンタルヘルス向上と職場環境改善を両立できます。特に集団分析の活用は、従来見えなかった組織課題の可視化と根拠に基づく改善施策の実行を可能にするでしょう。
サービス選定の際は、法令遵守対応、サポート範囲、実務負担軽減、費用、実績・信頼性の5つの観点から総合的に評価することが重要です。自社の規模や目的に応じて最適なサービスを選択し、ストレスチェック制度を健康経営推進の重要な基盤として活用していきましょう。