無料ツール
ハラスメント グレーゾーン整理ツール|パワハラ・カスハラ・求職者等セクハラ
ハラスメントのグレーゾーンとは、指導として必要な範囲なのか、それを超えているのかの判断が分かれる領域のことです。厚生労働省の指針は種類ごとに要素と考慮すべき事情を挙げています。このツールはその順に事実関係を並べ、指針自身の例と見比べられるようにします。2026年10月1日から義務になるカスタマーハラスメントと求職者等へのセクシュアルハラスメントにも対応しています。該当を判断するものではありません。
ハラスメント グレーゾーン整理
指針が挙げる3つの要素と考慮要素に沿って、事実関係を並べます。該当するかどうかを決めるツールではありません。入力値は送信されません。
ハラスメントの種類
労働施策総合推進法 第30条の2/令和2年厚生労働省告示第5号(令和8年厚生労働省告示第53号で改正)
言動の類型
指針が挙げる6つの代表的な類型です。近いものを選ぶと、指針自身の該当例・非該当例を並べます。
① 優越的な関係を背景としているか
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えているか
適正な業務指示や指導は、客観的にみて必要かつ相当な範囲で行われる限り該当しません。
③ 就業環境が害されているか
2026年10月1日から、義務が2つ増えます
これまで措置義務があったのはパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントです。ここにカスタマーハラスメントと、求職者等へのセクシュアルハラスメントが加わります。どちらも施行日は2026年10月1日で、カスハラには経過措置がありません。
| 種類 | 根拠 | 指針 | いつから |
|---|---|---|---|
| パワーハラスメント | 労働施策総合推進法 第30条の2 | 令和2年厚生労働省告示第5号 | 2020年6月1日(中小企業は2022年4月1日) |
| カスタマーハラスメント | 改正労働施策総合推進法 | 令和8年厚生労働省告示第51号 | 2026年10月1日 |
| 求職者等へのセクハラ | 男女雇用機会均等法 | 令和8年厚生労働省告示第52号 | 2026年10月1日 |
同じ日に、パワーハラスメントの指針も改正されます(令和8年厚生労働省告示第53号)。商品の買い取り強要等、労働者の自由な意思に反して自社の商品・サービスを購入させる行為に関連する言動も、3つの要素を全て満たす場合にはパワーハラスメントに該当することが明記されました。新しい類型が増えたのではなく、3要素の当てはめの問題です。
プラチナえるぼし認定では、求職者等セクハラ防止措置の内容を「女性の活躍推進企業データベース」に公表していることが、同じ日から認定要件に加わります(厚生労働省「えるぼし認定、プラチナえるぼし認定の概要」)。認定の状況はえるぼし認定 セルフチェックで確認できます。
3つの要素を全て満たすかどうか
職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものをいいます(令和2年厚生労働省告示第5号)。3つの要素を全て満たすものが該当し、1つでも欠ければ該当しません。グレーゾーンの多くは②で起きます。
| 要素 | 指針が挙げる中身 |
|---|---|
| ① 優越的な関係 | 抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係。職務上の地位が上位の者だけでなく、業務上必要な知識や豊富な経験があり協力を得なければ業務の遂行が困難な同僚・部下、抵抗が困難な集団による行為を含みます |
| ② 必要かつ相当な範囲を超える | 社会通念に照らし、明らかに業務上の必要性がない、又は態様が相当でないもの。回数や行為者の数など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超えるものを含みます |
| ③ 就業環境が害される | 身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったため能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、就業する上で看過できない程度の支障が生じること |
②の判断について、指針は「当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係性等」を総合的に考慮するとしています。上のツールの入力項目は、この考慮要素をそのまま並べたものです。
指導とハラスメントの分かれ目
指針は「客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない」と明記しています。強く注意したかどうかではなく、必要性と相当性が分かれ目です。指針が該当しないと考えられる例として挙げているのは、次のようなものです。
- 遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をすること
- その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をすること
- 労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せること
- 労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減すること
逆に、人格を否定する言動、必要以上に長時間にわたる厳しい叱責の繰り返し、他の労働者の面前での大声での威圧的な叱責の繰り返しは、該当すると考えられる例として挙げられています。必要性があっても手段として相当とは言いがたい、という位置づけです。判断基準と企業の法的リスクは「ハラスメントのグレーゾーンとは|判断基準と、企業の法的リスク」で扱っています。
2026年10月1日からカスタマーハラスメントも対象に
令和7年に改正された労働施策総合推進法により、令和8年(2026年)10月1日から、職場におけるカスタマーハラスメントについても事業主に雇用管理上の措置が義務づけられます。顧客等からの苦情の全てが該当するわけではなく、客観的にみて社会通念上許容される範囲で行われたものは正当な申入れであり、カスタマーハラスメントには該当しないとされています。このツールが扱うのは社内の言動ですが、相談窓口や記録の仕組みは共通して使えます。
整理したあとに
- 記録が判断を決めます。指針の考慮要素は、日時・場所・言動・経緯・頻度が残っていなければ後から確かめられません。整理と同時に記録してください。
- 受け手に確かめる。③は受け手の状態で変わります。確認できていないまま結論を出さないでください。
- 個の侵害には注意が要ります。指針は、性的指向・ジェンダーアイデンティティや病歴、不妊治療等の機微な個人情報を本人の了解なく暴露することを該当例に挙げています。休暇制度を広げるときは、誰が使ったかの扱いもあわせて決めてください。制度の条文は「女性の健康に関する休暇制度ジェネレーター」で作れます。
Floraの支援
相談が上がってこない職場ほど、問題がないのではなく見えていないだけ、ということがあります。Flora株式会社の「ダイバーシティデータプログラム」は、社内にある人事データと従業員サーベイを使って、どの層で相談が起きにくいか、負荷がどこに寄っているかを分析し、打ち手を特定するコンサルティングです。これまでに150社以上の企業と取り組んできました。
関連する無料ツール
- 働き方
ストレスチェック 実施義務 判定ツール
事業場の人数を入れると、実施義務があるかと受検対象者が何人かを分けて判定します。50人のカウントはパート・アルバイトと受け入れ派遣を含み、受検対象は契約期間と週所定で絞ります。
判定する - 働き方
健康診断 対象者 判定ツール
パートやアルバイトが健康診断の対象になるかを、その事業場の通常の労働者の週所定労働時間の4分の3で判定します。特定業務従事者の6か月要件と6月以内ごとの頻度にも対応します。
判定する - サービス
女性サービス参入診断
女性ヘルスケア・フェムテック領域への参入を検討する事業者向けの1分診断。5つの評価軸で準備度を可視化します。
診断をはじめる
よくある質問
パワーハラスメントの定義は何ですか。
職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものをいい、①から③までの要素を全てを満たすものです(令和2年厚生労働省告示第5号)。3つのうちどれか1つでも満たさなければ該当しません。指針は同時に「客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない」と明記しています。
強く叱ったら、それだけでハラスメントになりますか。
なりません。指針は該当しないと考えられる例として「遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をすること」を挙げています。分かれ目は強さそのものではなく、業務上の必要性があるか、手段として相当かです。指針は目的、経緯や状況、業務の内容・性質、態様・頻度・継続性、受け手の属性や心身の状況、行為者との関係性などを総合的に考慮するとしています。ただし人格を否定する言動は、必要性があっても手段として相当とは言いがたい類型です。