男性育休取得率50.9%と300人超企業の公表義務|数字の読み方と自社の出し方
2026年 9月 11日

厚生労働省が2026年7月31日に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」で、男性の育児休業取得率が50.9%となりました。前年度の40.5%から10.4ポイント上がり、初めて5割を超えています。女性は88.3%(前年度86.6%)でした。
数字が大きく動いたため、社内で「うちは何%か」と聞かれる機会が増えます。ここで注意が必要なのは、この50.9%と、自社が公表義務で出す数値は、同じ計算式ではないという点です。
50.9%が何を測っているか
調査の定義はこうです。令和5年10月1日から令和6年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、令和7年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した者の割合。
分母が「配偶者が出産した男性」であること、そして取得までの観測期間が約2年間取られていることが要点です。子の出生から1年以上経ってから取得した人も、この分子に入ります。取得の申出をしている段階の人も含まれます。
つまり50.9%は、取得までの時間を長めに見た数値です。自社の数字がこれを下回っていても、単純に遅れていると判断はできません。
自社が公表する男性育休取得率との違い
育児・介護休業法にもとづく公表では、事業年度単位で次のいずれかを選びます。
- 育児休業等の取得割合
- 育児休業等と育児目的休暇の取得割合
分母は、その事業年度に配偶者が出産した男性労働者の数です。分子は、その事業年度に育児休業等を開始した男性労働者の数になります。期間が事業年度で区切られるため、年度をまたいで取得した人の扱いが調査とは変わります。
2つ目を選ぶと、育児目的休暇(配偶者出産休暇など)の取得者も分子に入るため、数値は高く出ます。どちらを選んだかを明示せずに他社と比較すると、比較になりません。公表の際は、選んだ算出方法を必ず併記してください。
算出は「男性育休取得率計算ツール」で確認できます。2つの方法それぞれの数値を出して比べられます。
300人超の企業に公表義務があります
2025年4月1日から、男性労働者の育児休業取得率等の公表義務が、従業員300人超1,000人以下の企業にも広がりました。それ以前は1,000人超の企業が対象でした。
公表は、事業年度終了後おおむね3か月以内に、インターネットなど一般に閲覧できる方法で行います。厚生労働省の「両立支援のひろば」への掲載が推奨されています。
対象になったばかりの企業で起きやすいのは、分母となる「配偶者が出産した男性労働者」の人数を把握していないケースです。育児休業の申出があった人数は分かっても、出産した配偶者を持つ社員の総数は、届出がなければ分かりません。扶養手当や慶弔見舞金の申請記録から拾える場合があるので、まずそこを確認してください。
取得率の次に見るもの
取得率が5割を超えた局面では、率そのものより取得日数が論点になります。短期間の取得が増えれば率は上がりますが、家庭内の分担は変わりません。
自社では、取得率と併せて平均取得日数、そして復職後の働き方を見てください。復職後に短時間勤務へ切り替えたまま長く続く場合、キャリアの経路に影響が出ます。この点は「育休復職後のキャリアと時短勤務」で扱っています。
人的資本開示で女性活躍の3項目を出す場合の並べ方は「人的資本開示の女性活躍3項目」に、公表義務の範囲全体は「女性活躍推進法2026年改正」にまとめています。





