更年期ロスとは|用語解説

2026年 9月 11日

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「更年期ロス」とは、更年期症状を理由として生じる離職、降格や昇進辞退、正社員から非正規への雇用形態の変更、労働時間や業務量の削減までを合わせた概念です。 労働政策研究・研修機構(JILPT)のリサーチアイ第70回(周燕飛氏、2021年11月)で示されました。

離職だけを数えた数字ではない

よく引用される「更年期離職46万人」は、この更年期ロスのうち離職の部分だけを指します。

範囲40〜59歳45〜54歳
更年期離職20.2万〜46万人12.2万〜28.3万人
更年期ロス全体33.1万〜75.3万人20万〜47万人

幅があるのは推計の基準が2通りあるためです。更年期症状を経験した人の割合をもとにした高位推計と、医師の診断など厳しめの基準を使った低位推計です。

数字の読み方として重要なのは、辞めてはいないが仕事の幅を狭めた人のほうが多いという点です。離職だけを数えると、企業内で起きていることの半分以下しか見えません。

経済損失は年1,848億〜4,196億円と推計されており、症状の平均持続期間3.54年をもとに計算されています。

元になった調査

NHKが2021年7月に実施した「更年期と仕事に関する調査2021」のデータをJILPTが分析したものです。調査対象は40〜59歳の働く男女5,334人(女性4,296人、男性1,038人)で、事前に20〜59歳の女性約3万人へのスクリーニング調査が行われています。

引用するときの注意

2点あります。

受診率が低い。 症状のある女性の約7割は医療機関を受診しておらず、診断を受けた割合は年代によって11.7〜21.8%にとどまります。

自己申告にもとづく。 離職や昇進辞退が更年期によるものだという判断は、本人の申告によります。つまり46万人という数字は「症状を経験し、仕事に影響が出たと本人が考えている人」の規模です。

また、これらはすべて全国の推計であり、自社の損失額ではありません。社内で使う場合は、出典と推計の幅を明示したうえで、自社の人数と人件費で試算した数字を併せて示してください。試算は「更年期による離職・昇進辞退の企業コスト 試算ツール」で行えます。

推計の中身は「更年期による離職・昇進辞退の企業コスト」で、昇進辞退が女性管理職比率に与える影響は「更年期による女性管理職の離職・昇進辞退」で詳しく扱っています。