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アブセンティーズム損失額 計算ツール|欠勤・休職の年間コストを人件費に換算
健康に関わる損失は、休んで働けなかった分(アブセンティーズム)と、出勤しているが本来の力を出せていない分(プレゼンティーズム)に分かれます。このツールは前者を人件費に換算し、後者と並べるときに起きる二重計上も外して出します。
アブセンティーズム損失額 計算ツール
傷病による欠勤と休職で失われた労働日を、人件費に換算します。プレゼンティーズムと足すときの二重計上も外して出します。入力値は送信されません。
自社の前提
給与・賞与・法定福利費を含めた一人あたりの年額。
年間の所定労働日数。日額人件費の分母になります。
欠勤と休職の実績
私傷病による欠勤の全社合計。年次有給休暇で処理した分を含めるかは、自社の集計方法にそろえてください。
私傷病休職に入った人数。年度内の新規と継続の両方を数えます。
1件あたりの平均休職日数。メンタル不調による休職は平均3か月程度という調査が多く見られます。
プレゼンティーズムと並べる(任意)
SPQ(東大1項目版)の回答平均。未測定なら仮の値で構いません。二重計上を外した比較を出すために使います。
2つの損失の違い
| 指標 | 何を測るか | 把握のしやすさ | 金額の傾向 |
|---|---|---|---|
| アブセンティーズム | 傷病による欠勤・休職で働かれなかった時間 | 勤怠データから出せる | 対象者が限られるため小さい |
| プレゼンティーズム | 出勤しているが本来の力を出せていない分 | アンケートでの測定が必要 | 全員に及ぶため大きい |
健康経営度調査は両者を別々に尋ねます。社内で1つの金額として示すときは、どちらの式で出したか、足し合わせているかを必ず添えてください。プレゼンティーズム単体の試算と、発揮度が改善したときの回復額は「プレゼンティーズム損失額 計算ツール」で出せます。損失の中身は「女性の健康課題によるプレゼンティーズム損失3.4兆円の中身」で扱っています。
二重計上はどこで起きるか
プレゼンティーズム損失額は、一般に「従業員数 × 一人あたり年間人件費 ×(100 − 平均パフォーマンス発揮度)÷ 100」で計算します。この式の母数は1年分の人件費です。ある従業員が年間20日休職していた場合、その20日分の人件費もこの母数に含まれています。つまり、休んでいて出勤していなかった日を「出勤していたが発揮できていなかった」として数えていることになります。
アブセンティーズムはまさにその20日分を損失として計上するので、2つをそのまま足すと、その日数ぶんが二重に乗ります。解き方は単純で、プレゼンティーズムの母数を「実際に出勤した日数」に置き換えるだけです。
| 出勤日数 | 従業員数 × 年間所定労働日数 − 欠勤・休職日数 |
|---|---|
| アブセンティーズム損失 | 日額人件費 × 欠勤・休職日数 |
| プレゼンティーズム損失(重複なし) | 日額人件費 × 出勤日数 ×(100 − 発揮度)÷ 100 |
欠勤率が低い企業では差は1%前後にとどまりますが、休職者が多い企業や、部署を絞って試算する場合には無視できない大きさになります。何より、足し算の根拠を説明できるかどうかが、経営会議でこの数字が通るかを分けます。
この金額に入っていないもの
- 代替要員と周囲の負担。派遣や応援の費用、残ったメンバーの残業代。休職が長引くほど膨らみます。
- 引継ぎと復職の調整。休職前後の引継ぎ、産業医面談、短時間勤務からの段階的な復帰にかかる管理職の時間。
- 退職に至った場合の採用と育成。休職から復職できずに退職した場合、採用費と立ち上がりまでの育成コストが別に発生します。
このツールが出すのは、働かれなかった時間に対して支払った人件費だけです。実際の負担はこれより大きくなるため、下限に近い概算として扱ってください。
数字を出したあとに
- 雇用形態と性別で分けて出す。全社平均でまとめると差が消えます。正社員と非正規で発生率が逆転することもあり、分けて見ないと打ち手を誤ります。平均が男女差を隠す仕組みは「私傷病休職とは?休職率の出し方と平均が男女差を隠す理由」で扱っています。
- 休職の原因別に見る。メンタル不調と身体疾患では、予防に効く施策が違います。件数だけでなく平均日数も分けて出してください。
- 休職に入る手前の兆候を見る。残業時間、ストレスチェックの結果、上長の変更といった手前のデータと重ねると、どこで止められるかが見えてきます。ストレスチェックの実施義務は「ストレスチェック 実施義務 判定ツール」で確かめられます。
Floraの支援
休職の件数だけを見ていても、どこで止められたかは分かりません。Flora株式会社の「ダイバーシティデータプログラム」は、社内にある人事データと従業員サーベイを使って、休職や離職の手前にどんな兆候が出ていたか、どの層に負荷が寄っているかを分析し、どこに手を入れるかを特定するコンサルティングです。これまでに150社以上の企業と取り組んできました。
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人事データが定義され、辿れ、見せてよい範囲が決まっているかを20項目で点検します。点数ではなく、印の付かない項目を証拠と主担当つきで返します。
点検する
よくある質問
アブセンティーズムとプレゼンティーズムは足し合わせてよいのですか。
足せますが、そのままでは二重計上になります。プレゼンティーズムの一般的な計算式は、従業員数に一人あたり年間人件費を掛けたものを母数にします。この母数には休んでいた日の人件費も入っているため、その日を「出勤していたが発揮できていなかった」として再び数えてしまいます。実際に出勤した日数だけを母数にすれば重複は消えます。このツールはその計算をして、重複を外した合計と、外さなかった場合との差を出します。
どちらのほうが金額は大きくなりますか。
多くの企業でプレゼンティーズムのほうが大きくなります。欠勤や休職は人数が限られますが、パフォーマンスの低下は在籍者全員に少しずつ及ぶためです。ただしアブセンティーズムは把握しやすく、休職1件あたりの金額が大きいため、経営に説明するときの入口としては扱いやすい指標です。両方を出したうえで、どちらに手を入れるかを決めるのが実務的です。