子の看護等休暇とは|2025年4月に子の看護休暇から変わった4つの点
2026年 9月 28日

子の看護等休暇とは、小学校3年生修了までの子を養育する労働者が、子の病気やけが、予防接種・健康診断、感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式・卒園式のために取得できる休暇です。育児・介護休業法に定められています。
取得できる日数は、子が1人なら1年間に5日まで、2人以上なら10日までです。
2025年4月1日の改正で、この制度は名称から中身まで4か所が変わりました。改正前は「子の看護休暇」という名前で、対象は小学校就学前まで、取得事由は病気・けがと予防接種・健康診断の2つだけでした。この記事では、変わった点と、企業が就業規則で直す必要がある箇所を整理します。
子の看護休暇から子の看護等休暇へ|2025年4月に変わった4つの点
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 名称 | 子の看護休暇 | 子の看護等休暇 |
| 対象となる子 | 小学校就学の始期に達するまで | 小学校3年生修了まで |
| 取得事由 | ①病気・けが ②予防接種・健康診断 | ①②に加えて ③感染症に伴う学級閉鎖等 ④入園(入学)式、卒園式 |
| 労使協定で除外できる労働者 | ①週の所定労働日数が2日以下 ②継続雇用期間6か月未満 | ①のみ(②を撤廃) |
取得可能日数は変わっていません。1年間に5日、子が2人以上の場合は10日のままです。日数だけを見ていると改正を見落とすので、変わったのは「誰が、何に、いつまで使えるか」のほうだと押さえてください。
(出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」令和7年4月1日から段階的に施行)
名称に「等」が入った理由
「看護」だけではなくなったからです。学級閉鎖や入園式・卒園式は看護ではありません。名称変更は、取得事由が広がったことに合わせた実質的な変更で、単なる呼び方の問題ではありません。
社内の申請フォームや休暇管理システムの項目名が「子の看護休暇」のままになっていると、従業員は「病気のときしか使えない」と読みます。名称を直すことが、そのまま取得事由の周知になります。
小学校3年生修了まで延びた
対象が3学年分広がりました。小学校入学と同時に使えなくなる制度ではなくなった、ということです。
実務上の影響が大きいのは学級閉鎖です。低学年の学級閉鎖は保護者の就業に直結しますが、改正前は看護休暇の対象外で、年次有給休暇を使うか欠勤にするしかありませんでした。
継続雇用期間6か月未満を除外できなくなった
労使協定で除外できる労働者から、継続雇用期間6か月未満の労働者が外れました。除外できるのは週の所定労働日数が2日以下の労働者だけです。
入社直後の従業員も取得できます。4月入社の新入社員が、その年度のうちに使える制度になったということです。就業規則に旧来の除外規定が残っていないか確認してください。同じ撤廃は介護休暇にも行われています。詳しくは介護休暇とは|介護休業との違いをご覧ください。
時間単位の取得と、有給か無給か
子の看護等休暇は時間単位で取得できます。半日単位までではありません。通院の送り迎えや、学校からの呼び出しに対応するには、この単位が実務的です。
ただし、時間単位での取得が困難と認められる業務に従事する労働者について、労使協定で時間単位取得を除外している場合は、対象の労働者は1日単位でのみ取得できます。
有給にするか無給にするかは会社が決めます。法律は有給とすることまで求めていません。ここが制度の使われ方を大きく分けます。無給であれば、多くの従業員は年次有給休暇を先に使い、子の看護等休暇は残ったまま消化されません。制度が存在しても取得実績がゼロという状態は、この設計から生まれます。
取得状況を見るときは、日数の消化率だけでなく、年次有給休暇との使い分けの実態まで見てください。
年次有給休暇との使い分けをどう見るか
無給の場合に起きる順番を具体的に書くと、こうなります。子どもが熱を出す。従業員は年次有給休暇を申請する。年休が尽きてから、初めて子の看護等休暇を申請する。結果として、子の看護等休暇の取得日数は年度末まで0のままになります。
この状態を「制度が使われていない」と読むのは正確ではありません。実際には使われていて、名前が年休になっているだけです。逆に、有給にしている会社では子の看護等休暇が先に消化され、年休が温存されます。
取得実績を見るときは、子の看護等休暇の日数だけでなく、小学校3年生までの子を持つ従業員の年休取得理由まで見ないと実態がつかめません。無給のままにする判断は妥当な選択肢ですが、そのときは取得日数を制度の浸透度の指標に使わないでください。
企業が直す箇所は4つ
改正への対応は、規程の文言を直すことが中心になります。
- 就業規則・育児介護休業規程の名称を「子の看護等休暇」に変更する。
- 対象となる子の範囲を小学校3年生修了までに変更する。
- 取得事由に感染症に伴う学級閉鎖等と入園(入学)式・卒園式を追加する。
- 労使協定の除外規定から継続雇用期間6か月未満を削除する。
あわせて、申請フォーム、休暇管理システムの項目名、育休からの復帰面談で配る資料、社内イントラの説明ページも同じ用語に揃えます。規程だけ直して周辺が古いままだと、従業員が見るのは周辺のほうです。
同じ改正で変わった、ほかの育児関連の制度
2025年4月1日には、ほかにも育児に関する変更がありました。所定外労働の制限(残業免除)を請求できる労働者の範囲が、3歳未満の子を養育する労働者から小学校就学前の子を養育する労働者に広がっています。短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワークが追加され、3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるようにすることが事業主の努力義務になりました。
育児休業取得状況の公表義務の対象も、従業員数1,000人超の企業から300人超の企業に広がっています。公表内容と算出方法は男性育休の義務化とは|300人超の公表義務と、企業の対応手順で扱いました。男性育休の制度そのものは男性育休とはをご覧ください。
なお、2025年10月1日からは、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者について、柔軟な働き方を実現するための措置が始まっています。事業主は5つの選択肢のうち2つ以上を選んで措置を講じ、労働者はそのなかから1つを選んで利用できる、という仕組みです。
選択肢は次の5つです。
- 始業時刻等の変更(1日の所定労働時間を変更しない。フレックスタイム制、または始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ)
- テレワーク等(1日の所定労働時間を変更せず、月に10日以上利用できるもの)
- 保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配および費用負担などを含む)
- 養育両立支援休暇の付与(1日の所定労働時間を変更せず、年に10日以上取得できるもの)
- 短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの)
②と④は、原則として時間単位で取得できるようにする必要があります。措置を選ぶ際には、過半数組合等からの意見聴取の機会を設けることも求められます。
あわせて、労働者本人または配偶者の妊娠・出産等の申出があったときと、子が3歳になるまでの適切な時期に、仕事と育児の両立に関する事項について労働者の意向を個別に聴取し、聴取した意向について配慮することも義務になりました。配慮の内容としては、勤務時間帯や勤務地に係る配置、業務量の調整、両立支援制度の利用期間等の見直し、労働条件の見直しなどが挙げられています。
この措置についても個別周知・意向確認が義務です。周知の時期は子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間、条文の書き方では1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日までと定められています。周知する事項は、選択した2つ以上の措置の内容、その申出先、そして所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度の3つです。ここでも、利用を控えさせるような個別周知と意向確認は認められません。
窓口が決まった時期にしか案内できない設計なので、育休からの復帰面談とは別のタイミングで運用が要ります。復帰時にまとめて説明して終わり、にはできません。
制度が段階的に足されていくため、就業規則の改定が追いつかないまま次の施行日が来るというのが、この2年の実務で起きていることです。子の看護等休暇の4か所を直すときに、2025年10月施行分の記載も同時に点検しておくと二度手間になりません。
制度整備に使える助成金としては、両立支援等助成金の柔軟な働き方選択制度等支援コースに、子の看護等休暇制度を有給化した場合の支援が設けられています。詳しくは両立支援等助成金とはにまとめています。
Floraの支援:制度を使える空気をつくる
規程を直しても、取得率はすぐには動きません。子どもの学級閉鎖で休むと言い出しにくい職場では、制度の対象が広がったことより、周囲の反応のほうが効きます。
FloraのWellflowは、従業員向けの相談支援と、管理職向けの研修を提供しています。制度の存在を管理職が言える状態をつくることが、規程の改定を実際の取得につなげる部分です。
まとめ
子の看護等休暇は、2025年4月1日の改正で名称、対象年齢、取得事由、除外規定の4か所が変わりました。対象は小学校3年生修了まで、取得事由に感染症に伴う学級閉鎖等と入園式・卒園式が加わり、継続雇用期間6か月未満を除外できなくなっています。日数は年5日(子が2人以上なら10日)のまま変わりません。
企業側の対応は規程の文言修正が中心ですが、申請フォームや社内資料の用語まで揃えないと、従業員には伝わりません。有給とするか無給とするかは会社の判断で、ここが取得実績を左右します。
よくある質問
子の看護等休暇は何日取れますか。
何に使えますか。
対象となる子の年齢は何歳までですか。
入社したばかりの従業員も取得できますか。





