くるみんプラスとは|4つの認定基準とプラチナくるみんプラスの取り方

2026年 9月 25日

くるみんプラスとは、子育てサポート企業の証であるくるみん認定に、不妊治療と仕事との両立の取組を加えた認定です。厚生労働省が令和4年4月1日から実施しており、くるみん等の認定基準を満たしたうえで、4項目のプラス認定基準をすべて満たすと取得できます。

単独で取る認定ではありません。くるみん、トライくるみん、プラチナくるみんのいずれかに「プラス」が付く形で、3種類が存在します。

この記事では、3種類のプラス認定の関係、4つのプラス認定基準が具体的に何を求めているのか、そして申請までに社内で整えるものを整理します。

くるみんプラスの3種類と、ベースになる認定の関係

プラス認定は、ベースとなるくるみん系の認定に追加されるものです。したがって、取得している認定によって名前が変わります。

ベースの認定プラス認定の名称
トライくるみんトライくるみんプラス
くるみんくるみんプラス
プラチナくるみんプラチナくるみんプラス

認定を受けると、それぞれの認定マークにプラスマークを追加して、商品、広告、求人広告などに付けられます。子育てサポート企業であることに加えて、不妊治療と仕事との両立をサポートする企業であることも示せる、という位置づけです。

すでにプラチナくるみん認定を受けている特例認定一般事業主は、一部の特例プラス認定基準について審査が免除されます。

なお、令和7年4月1日からくるみん・プラチナくるみん・トライくるみんの認定基準とマークが改正され、それに伴ってプラス認定マークも改正されています。ベースとなる3種類の認定基準の違いはくるみん認定とは|3種類の基準の違いと、2025年改正後の申請の進め方で扱っています。えるぼしとの関係はくるみんとえるぼしの違いをご覧ください。

(出典:厚生労働省「プラス認定」)

4つのプラス認定基準

プラス認定基準は4項目あり、すべてを満たす必要があります。いずれか3つでは足りません。

基準1:休暇制度と、両立に使える制度の両方を設けること

次の(1)と(2)の両方が必要です。

(1)不妊治療のための休暇制度。 不妊治療を含む多様な目的で利用できる休暇制度や、利用目的を限定しない休暇制度も含まれます。ただし年次有給休暇は含みません。

(2)不妊治療のために利用することができる制度として、半日単位・時間単位の年次有給休暇、所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務等のうち、いずれかの制度。

(2)は半日・時間単位の年休が使える一方、(1)は年休ではだめ、という組み合わせが実務で間違えやすいところです。また、制度の利用対象は性別、雇用形態に関わらず利用できるものである必要があります。

どのような制度を導入するかは事業所の裁量とされていますが、不妊治療を受ける労働者の仕事との両立に実質的に資するものであることが求められます。休暇制度の設計例は不妊治療と仕事の両立支援制度のつくり方|休暇・就業規則の実例と不妊治療への企業の支援制度|助成金と休暇制度の設計例で具体的に扱っています。

基準2:方針を示し、措置の内容とともに社内に周知すること

不妊治療と仕事との両立に関する方針を示し、講じている措置の内容とあわせて社内に周知していることが必要です。

方針は、両立を具体的に推進・支援する内容とし、法人全体の方針として発信・周知することが求められます。周知方法としては、方針が掲載されている社内資料、リーフレット、自社のホームページなどが挙げられ、自社のすべての労働者に周知されていることが必要です。

周知内容としては、両立を支援するということのほか、支援することの意義、不妊治療等を理由とするハラスメントを許さないこと、プライバシー保護などが考えられるとされています。

基準3:年1回以上の研修等を、全労働者を対象に実施すること

不妊治療と仕事との両立に関する研修その他、労働者の理解を促進するための取組を実施していることが必要です。

厚生労働省は、理解の促進にあたっては研修等を定期的に実施することが有効であるとして、少なくとも年1回は実施していることを求めています。対象者は、管理職、人事労務担当者、不妊治療を行う労働者、その上司・同僚・部下等を含めた全ての労働者で、パート・アルバイト等も対象です。

4つの基準のうち、継続的な運用が必要になるのはここです。制度をつくって終わりにできません。

基準4:両立支援担当者を選任し、社内に周知すること

不妊治療を受ける労働者からの相談に応じる担当者(両立支援担当者)を選任し、社内に周知していることが必要です。

両立支援担当者は、人事労務担当者や社内の産業保健スタッフ等から選任することが考えられるとされています。役割としては、自社の制度内容を説明すること、制度利用の申請方法を案内すること、不妊治療を受ける労働者の業務の調整を行うことが挙げられています。名前だけ置く役職ではなく、実際に動く担当者を求めている書き方です。

申請の前に確認すること

4項目の基準に係る取組を満たすための措置は、認定を受ける行動計画期間中に実施されている必要があります。行動計画の期間が終わってから慌てて制度をつくっても間に合いません。

そのため、プラス認定を視野に入れるなら、一般事業主行動計画を策定する段階で内容を確認しておくのが現実的です。厚生労働省も、行動計画の内容が認定基準に合致するかどうかについて、行動計画の策定時に都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談するよう案内しています。

不妊治療の制度整備は、両立支援等助成金の不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの要件とも重なります。両者を並べると、重なるところと違うところがはっきりします。

くるみんプラス両立支援等助成金(不妊治療及び女性の健康課題対応コース)
制度の規程化必要必要(労働協約または就業規則)
全労働者への周知必要必要
両立支援担当者選任と周知が必要選任が必要
研修等年1回以上、全労働者対象要件に含まれない
実際の利用実績認定基準には含まれない1年以内に合計5日(回)以上の利用が必要
対象範囲不妊治療不妊治療、月経、更年期

研修まで求めるのが認定、実際に使われた実績まで求めるのが助成金、と整理すると分かりやすくなります。制度を一度きちんとつくれば、両方で使える状態になります。ただし助成金の対象は不妊治療だけでなく月経と更年期も含むため、制度設計の段階で3つまとめて考えておくと二度手間になりません。

プラチナくるみんプラスは「特例プラス認定基準」で見る

プラチナくるみんプラス認定を受けるには、特例プラス認定基準を満たす必要があります。この基準は14項目で構成され、1〜4がくるみん認定の認定基準1〜4、5〜10がプラチナくるみんの特例認定基準5〜10、11〜14がプラス認定基準1〜4と同じ内容になっています。

すでにプラチナくるみん認定を受けている特例認定一般事業主の場合は、一般事業主行動計画の策定等が免除されていることから、特例プラス認定基準5〜14を満たすことで認定を受けられます。この場合は特例認定申請書(様式第三号の二)で申請します。

申請は労働局へ、添付書類は制度と周知の証拠

申請は「基準適合認定一般事業主認定申請書」に必要書類を添付し、電子申請、郵送または持参のいずれかで都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に提出します。

添付書類として求められるのは、不妊治療のために利用できる制度の内容を明らかにする書類(労働協約や就業規則の写し)と、方針および制度内容の労働者への周知を明らかにする書類です。つまり審査で見られるのは、制度が規程として存在することと、それが実際に周知されていることの2点です。社内資料やイントラネットの掲示は、あとで出せる形で残しておく必要があります。

よくある失敗

年次有給休暇で代用しようとする。 基準1の(1)は年休を含まないと明記されています。既存の年休制度を「不妊治療にも使えます」と案内するだけでは、この基準を満たしません。

研修を初年度だけで終える。 基準3は少なくとも年1回の実施を求めています。認定の申請時だけ実施して翌年止めると、次の更新で崩れます。

周知が一部にとどまる。 方針も担当者も、全ての労働者への周知が要件です。管理職研修だけ、正社員だけ、という運用は基準を満たしません。パート・アルバイトも対象です。

担当者を決めたが業務が定義されていない。 制度の説明、申請方法の案内、業務の調整まで果たせる人を選任することが求められています。

Floraの支援:研修と相談窓口を、続けられる形にする

4つの基準を見ると、制度そのものより運用が重い構成になっています。特に基準3の「年1回以上、全労働者を対象とした研修」と、基準4の「実際に相談を受ける担当者」は、社内のリソースだけで毎年回すのが難しい部分です。

FloraのWellflowは、不妊治療・月経・更年期といった健康課題について、従業員向けの研修と相談支援を提供しています。全労働者を対象とした研修の実施と、人事担当者だけで抱えない相談の受け皿づくりを支援できます。

認定の可否を判断するのは都道府県労働局です。Floraのサービスの導入が認定基準を満たすことを意味するものではありません。基準の確認と申請は、厚生労働省の資料と労働局の案内に沿って進めてください。

まとめ

くるみんプラスは、くるみん・トライくるみん・プラチナくるみんのいずれかに追加される認定で、名称はベースの認定によって変わります。取得には、くるみん等の認定基準に加えて4項目のプラス認定基準をすべて満たす必要があります。

4項目は、休暇制度と両立に使える制度の両方を設けること、方針を示して全労働者に周知すること、年1回以上の研修等を全労働者を対象に実施すること、両立支援担当者を選任して周知することです。いずれも行動計画期間中に実施されている必要があるため、行動計画を作る段階から逆算するのが実務的な進め方になります。

よくある質問